原発問題に関する覚書3

原発問題論争の根幹は、莫大なエネルギーを消費することによってなりたっている現代文明・現代社会を肯定するのか否定するのかという点にある。
明治以降、西洋近代文明をとりいれて近代化に成功し、西洋式の現代文明の恩恵に浴した日本では、自然環境を支配・征服し、莫大なエネルギーを消費することによって成り立つ社会の在り方を、これからも維持したいと考えている人が多数派で、自然環境と共生したエコロジー的な社会の在り方を志向する人たちは少数派にすぎない。
これが、反原発運動が国民の間に浸透しなかった一番の要因であろう。


ただし、反原発派の中には、莫大なエネルギーを消費することによってなりたっている社会の在り方自体は肯定するが、原子力エネルギーを使用することには反対する人もいる。
どのようなエネルギー政策を選んだとしても事故はおこりうるのだから、事故がおきたときの被害規模が少ないと想定できる選択肢を選ぶか(脱原発自然エネルギー推進派)、それとも事故はおきないだろうという前提のもとで、もっとも効率がよいと考えられる選択肢を選ぶか(原子力エネルギー推進派)の点で対立がおきているといえる。
安全・安心を重視するか、目の前の経済を重視するかの対立。