原発問題に関する覚書4


これからのエネルギー政策をどうするのかについては、長期的(将来の)方針、短期的(暫定的な)方針にわけて考える必要がある。

長期的方針

1・原子力エネルギーを主要なエネルギーとして利用する。
2・原子力エネルギーを補助的なエネルギーとして利用する。
3・原子力エネルギーは使用しない。

短期的方針

A・新たな原発施設を設置する。
B・新たな原発施設は設置しないが、現在ある原発施設は使用し続ける。
C・現在ある原発施設を徐々に減らしていく。
D・原発施設をただちに停止する。


上の4つのパターンは単純化したものにすぎないから、実際には危険性の高い施設のみを停止し、その上で残りの原発施設を継続使用する(あるいは徐々に減らしていく)という方針もありうる。

いくつかのパターン

長期的に1(原子力エネルギーを主要なエネルギーとして利用する)の方針を支持する人の中には、当面はB(新たな原発施設は設置しないが、現在ある原発施設は使用し続ける)の方針を続けて、時機をみてA(新たな原発施設を設置する)の方針に転換すべきと考えている人がかなりいると予想される。


長期的に3(原子力エネルギーは使用しない)の方針を支持する場合は、低コストの代替エネルギーが開発されるまではBの方針を続けるべきと考える人、Cの方針を支持する人、Dの方針を支持する人と3つのタイプが予想できる。

これからのエネルギー政策

日本政府は、「エネルギーの50%を原子力に転換していく」という方針をとっていたらしい。
菅総理が「エネルギー政策の基本方針を見直す」可能性に言及したが、実際には見直す可能性を示唆しただけなので、現時点では1の「原子力エネルギーを主要なエネルギーとして利用する」長期的方針の下で、Bの「新たな原発施設は設置しないが、現在ある原発施設は使用し続ける」立場をとっているといえる。
浜岡原発に関しては、そのまま放棄するのか、2年後安全対策が完了したら再び稼働させるのか、どちらともとれる曖昧な態度のまま、とりあえず問題を先送りにしただけといえる。


長期的方針も短期的方針も、政権が交代する度に方針が転換しては混乱が生じるだけなので、与野党間で話し合いをするだけではなく、国民の間で合意案を形成する必要があろう。
私自身は長期的には3の「原子力エネルギーは使用しない」方針に転換し、代替エネルギーの開発を続けながら、Cの「現在ある原発施設を徐々に減らしていく」方針が現実的で無難な線ではないかと考えている。
ただし、Dの方針(原発施設をただちに停止する)をとらない場合、第2、第3の原発事故がおこり、その結果、1945年の原爆投下から(沖縄地上戦から、といいかえてもいいが)敗戦の時のような(あるいはそれ以上の)悲惨な状況におちいる可能性もある。
原発をすべて停止すると経済が停滞し国民の生活が悪化する。」
このような主張が事実である場合、国民の多くが経済・生活レベルの悪化を受け入れる覚悟があるのなら、Dの方針(原発施設をただちに停止する)も支持するけれど、このような方針を受け入れる国民は少数派にすぎない気がする。